高年齢求職者給付金って?|支給要件は?いくらもらえるの?

最近はさまざまな働き方やライフプランが存在していて、高年齢の方でも年金や貯蓄で生活費のみで賄うのではなく仕事に就く方も多くいらっしゃいます。雇用保険の求職者給付についても、俗に失業手当と言われる一般の離職者向けの「基本手当」だけでなく、高年齢の働き方に合わせて「高年齢求職者給付金」があります。今回はこの「高年齢求職者給付金」について、ざっくり説明します。

1 誰がもらえるの?

65歳以上の求職者に支給!

65歳以上の被保険者※である「高年齢被保険者」が失業の状態になった場合に支給されます。

※短期雇用特例被保険者(主に季節によって仕事の有無が変わる被保険者)と日雇労働被保険者は除く。

↓↓一般の被保険者に支給される「基本手当」については、こちら!!

「算定対象期間」「被保険者期間」「算定基礎期間」「待期期間」や「給付制限」などの用語の説明や「基本手当日額」についてなども詳しくはこちらの記事に載っています!!

失業保険ってどんなの?|受給するには?すぐにもらえるの?

長い職業生活のなかで、転職活動することは今やめずらしいことではありません。しかし、会社を退職したあとにすぐに再就職先が決まるとは限りません。 そんな時に生活費を…

◎一般の被保険者に支給される「基本手当」と共通する部分について

・「失業の状態」である必要がある。

・「就職への努力」をすること。

・「待期期間」や「給付制限」について など。 詳しくは↑の記事で説明しています!!

要は、65歳以上の雇用保険の被保険者だった人が失業して、次の仕事を探している場合に支給!

2 受給要件は?

離職の日以前1年間のうち、被保険者期間が6ヶ月以上で支給!!

◯基本手当 

「算定対象期間(離職の日以前2年間)」に「被保険者期間」が12カ月以上

高年齢求職者給付金 

「算定対象期間(離職の日以前1年間)」に「被保険者期間」が6カ月以上

※「被保険者期間」については↑↑の記事で!

3 受給手続きは?

基本手当と同様に「求職の申込み」を行い「失業の認定」を受ける!!

①離職後、離職票を持ってハローワークへ!

離職の日の翌日から起算して1年(高年齢求職者給付金の受給期限)を経過する日までに、管轄のハローワークで「求職の申込み」を行い離職票を提出。「失業の認定」を受けます。

②高年齢受給資格の決定!

提出した離職票によって高年齢受給資格が認められたときは、「失業の認定日」と給付金の支給日が知らされ、「高年齢受給資格者証」が交付されます。

補足①▶︎通常、受給資格が決定後に「雇用保険受給説明会」に参加すると「失業の認定日」が通知されますが、状況によって「雇用保険受給説明会」がオンライン開催などに変更される場合があります。

補足②▶︎受給資格決定後の7日間は「待期期間」といい、この間は給付金は支給されません

③失業の認定日に再び、ハローワークへ

失業の認定日に管轄のハローワークへ出頭し、「高年齢受給資格者失業認定申告書」に「高年齢受給資格者証」を添えて提出して、職業の紹介を求めます。

補足①▶︎基本手当と違い失業の認定を受けるのは、1回だけです。失業の認定日に失業の状態であればいいです。

補足②▶︎「給付制限」については、「1 誰がもらえるの?」↑で紹介した記事に載ってます!

4 いくらもらえるの?

基本手当の日額の30日分 or 50日分が一時金で支給!!

「算定基礎期間」が

1年未満→基本手当日額相当額の「30日分」

1年以上→基本手当日額相当額の「50日分」

が「一時金」で支給されます。

※「算定基礎期間」とは「雇用保険の被保険者として雇用された期間」のこと。

◎基本手当日額のざっくりおさらい

基本手当日額=賃金日額×給付率

・賃金日額=「算定対象期間」のなかで「被保険者期間」としてカウントされた最後の6ヶ月間の賃金総額÷180

※最低額はざっくり2500円。最高額は年齢により異なりますが、ざっくり13000円〜17000円ぐらいで年齢によって設定されています。2021年8月現在。

・給付率=50%〜80%(60歳以上65歳未満は45%〜80%)

※賃金日額が高いと給付率は低く、賃金日額が低くなると給付率は上がっていきマックス80%。

◎高齢者求職者給付金の基本手当日額相当の特徴

また、一般の被保険者の基本手当の日額と比べて、高年齢求職給付金の日額には下記の特徴があります。

・賃金日額の最高額は「30歳未満」の基本手当の受給資格者のものを用いる。(ざっくり13500円 ※2021年8月現在)

・給付率は60歳未満のものを用いる。(50%〜80%)

補足①▶︎失業の認定日から受給期限(原則、離職の日の翌日から1年間)までの日数が、上記の30日 or 50日に満たない場合は、認定日から受給期限までの日数が支給されます。

補足②▶︎失業の認定日に失業の状態ならよく、支給日の翌日に就職しても返還の必要はありません。

5 まとめ

つまりざっくりいうと、離職の日前1年間に6ヶ月間の被保険者期間があれば支給されますよ。金額については、雇用保険の被保険者としての期間が1年未満だと30日分、1年以上だと50日分支給されますよ。

正規雇用を希望して就職活動が長期化する方も多い一般の被保険者と違い、高年齢の方は年金を受給しながら短時間勤務や非正規での働き方を希望する方も多いため、求職活動や生活に合わせて一時金で支給されます。