雇用保険って何?|加入条件・給付内容・保険料はどうなってるの?

仕事を辞めたり、お子さんが生まれて休業したり、キャリアアップのために勉強したり。長い職業生活のなかで様々なライフイベントが起こります。そんなときに「雇用保険」は各種給付により金銭的サポートをしてくれます。今回は働く人たちの強い味方である「雇用保険」についてざっくり説明します!

1 雇用保険の加入条件は?

週20時間勤務+31日以上の継続雇用が見込まれること!!

◯週の所定労働時間が20時間以上であること

「所定労働時間」とは、会社と労働者との間で結ばれた雇用契約で定められた労働時間のことです。例えば1日6時間×週4日勤務という労働条件の契約だと、所定労働時間が週20時間以上になるので加入条件に該当します。

継続して31日以上雇用されることが見込まれること

 下記の場合が該当します。

・期間の定めがなく雇用される。

・雇用期間が31日以上。

・雇用契約に期間を更新する規定がある。または更新する規定がなくても、過去に同様の条件で雇用された労働者が31日以上雇用された実績がある。

補足①▶︎雇い入れ当初は31日以上雇用されることが見込まれなくても、その後に31日以上雇用されることが見込まれた場合には、その時点から雇用保険が適用されます。

補足▶︎以前は入社時に65歳以上の方は加入対象ではありませんでしたが、現在年齢要件はなくなっています。

これらの条件を満たす人は、パートやアルバイトの方も雇用保険に加入義務があり!!

2 雇用保険の対象外になる人は?

「学生」や「他の会社でメインで働いている人」「会社の役員」などは対象外!!

◯学生の人

補足▶︎通信教育・夜間・定時制の学生、休学中の学生、卒業見込証明書があり卒業後も引き続き勤務する予定のある者などは雇用保険に加入します。

◯2以上の事業主に雇用される人

雇用保険は「生計を維持するに必要な主たる賃金を受ける一の雇用関係」についてのみ被保険者となります。つまり、二つ以上の会社に勤務していてもメインで賃金を受けているところでのみ雇用保険に加入します。

◯役員など

「個人事業主」、「法人の代表取締役」、「合名会社・合資会社の代表社員」は被保険者になりません。

補足▶︎「法人の取締役」や「合名会社・合資会社の社員」は、同時に部長などの従業員としての身分があり役員の報酬よりも従業員として受け取る賃金の方が高いなど、労働者としての性格が強いと判断されて雇用関係が認められれば従業員部分については被保険者となります。

補足▶︎メインは個人事業主だけれど、副業のパートで週20時間以上勤務しているような場合は副業のパート勤務先で雇用保険に加入となります。

3 どんな給付があるの?

給付の種類の概要をざっくりと説明します。

1.求職者給付=離職後、求職活動中の費用を支援!

離職後に求職活動をする場合、収入がなくなると焦りも出てきます。求職活動がなかなか思い通りにいかないとますます焦るという悪循環に陥ることもあります。求職者給付を行うことで生活を安定させて求職活動しやすくしたり、ケガや病気で仕事につけないときに生活費をサポートします。他にも技能を習得することで就職活動を容易にするための手当もあります。このような給付を受けるには「求職活動」を行うことが原則です。また、高齢者の方や日雇い労働をする方、スキー場などの仕事の有無が季節によって変わる方にもそれぞれに応じた給付があります。

2.就職促進給付=再就職を支援!

再就職やアルバイト、事業を開始した人に給付を行います。また、再就職後に半年間働き続けて前職よりも賃金が低下していた場合に給付される手当や就職先への移動費を支援する給付もあります。

3.教育訓練給付=キャリアアップを支援!

労働者が主体となって能力向上のための取り組みをすると、その費用の一部を支援します。

4.雇用継続給付・育児休業給付=働き続けられるように支援!

育児や介護により働けなくなったり労働時間を短縮せざるを得ない人、賃金が低下した高齢者など、働き続けることが困難な事由が発生した場合に給付を行い、生活を安定させ働き続けられるよう支援します。

かなりざっくりした説明ですが、このように職業生活の中のさまざまなイベントに対応して、労働者をサポートしています!!

4 保険料はいくら?

一般の事業はなんと賃金の0.3%!!

保険料率は2020年5月現在だと、一般の事業は「3/1000」、農林水産・清酒製造の事業(一部例外あり)、建設業は「4/1000」を毎月の給与にかけます。また、交通費は所得税が非課税になることが多いので混同しがちですが、雇用保険料は交通費にもかかります。

例えば、賃金額が200,000円+交通費5,000円だと、205,000×3/1000=615円が雇用保険料です。

さまざまな場面で支援を受けれて、毎月これぐらいの負担だとお得に感じませんか?

5 まとめ

雇用保険は条件を満たせば加入しなければいけません。しかし、給付の内容を知らなくて活用しきれてない方もいます。特に資格勉強などの費用支援はぜひ活用してキャリアアップに役立ててください。別の機会に具体的な給付の内容も説明するので、長い職業生活の中でいざという場面に出会ったときに、この給付が使えるかもと思い出せるようにしましょう。

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