標準報酬月額ってなに?①|どんな時につかうの?どうやって決まるの?
社会保険の保険料や健康保険の傷病手当金などの手当、厚生年金保険の年金給付にいたるまで、何かと関係してくる「標準報酬月額」。
でも、この「標準報酬月額」とはいったいどういう仕組みなのか。ざっくり説明します。
目次
1 そもそも「標準報酬月額」ってなに?
保険料などの計算を楽にするための仮の報酬額のこと!
時間外手当があったり、報酬は毎月変動します。この毎月変動する報酬に毎回保険料率をかけて保険料を計算するとなると手間がかかります。そこで出てくるのが「標準報酬月額」です。
例えば、入社時の報酬月額が225, 000円だとすると、下の表(以後、保険料額表)を見ると210,000円〜230,000円までの間なので、「標準報酬月額」が「220,000円」と決定します。このように報酬額を金額によって区切って、等級に当てはめます。
この「標準報酬月額」に保険料率をかけて保険料を算出します。
出典)令和3年度保険料額表(東京)|全国健康保険協会
健康保険は50等級(58,000円〜1,390,000円)、厚生年金保険は32等級(88,000円〜650,000円)に区切られています。※健康保険は「全国健康保険協会」について説明します。以下の内容も「組合健康保険」は組合によってことなる場合があります。
↓↓社会保険の加入要件や保険料についてはこちらの記事で説明しています。
また、健康保険の傷病手当金などの手当の計算や後の厚生年金保険の年金額の計算にも「標準報酬月額」が使われます。
2 実際の給与ではどうなってるの?
一度決まれば、改定されるまでは同じ保険料!
1の内容を踏まえて、実際の給与で控除される保険料を保険料額表から見てみましょう。
例)標準報酬月額「300,000円」の場合
保険料額表で、「介護保険第2号被保険者に該当しない場合」を見ると、
「全額」 29520円 とあります。
→これは、標準報酬月額「300,000円」に健康保険料率9.84%をかけた額のことです。
この保険料を会社と被保険者が折半して支払います。なので、
「折半」 14760円
→これが実際に被保険者が支払う保険料になります。
介護保険料が給与から控除される「介護保険料第2号被保険者に該当する場合」や厚生年金保険料も同じように見ていきます。
ちなみに、保険料額表上では「介護保険料第2号被保険者に該当する場合」は「健康保険料」と「介護保険料」が合算表記されています。
補足①▶︎一度「標準報酬月額」が決まると、普段は毎月の報酬額が「300,000円」だけど今月は残業で報酬額が「340,000円」だったという場合でも保険料は変わらず、決定された「標準報酬月額」に保険料率をかけて保険料が算出されます。
補足②▶︎保険料免除に該当する場合は別として、その月は欠勤して報酬額が0円であったとしても保険料は発生します。
3 どうやって標準報酬月額は決定・改定するの?
入社時の決定や毎年一回の見直し、一定基準以上の給与額の変更により標準報酬月額は改定!
「標準報酬月額」が決定されるタイミングには下記があります。
・資格取得時決定
・定時決定
・随時改定
・育児休業終了時改定
・産前産後休業終了時決定
詳しくはこちらで説明します!↓↓
4 まとめ
「標準報酬月額」について説明しました。どうしても、短期的な毎月の保険料の負担に目が行きがちですが、将来の年金額や健康保険の手当の額にも関係しているため、長期的にライフスタイルに影響してきます。
標準報酬月額の改定については、また別の記事で説明いたします。
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